ピカロアイスでは和洋問わず様々な食材やスパイス、技法などを使用しています。今回はアイスで使用した地元の京都産食材を9つ紹介いたします。

アイスでは珍しい食材もありますが下処理次第でビックリするぐらい馴染みます。

1、京都丹波栗

□特徴

『丹波栗』は、京都の丹波地方から採れる栗の事で、京の伝統野菜以上ともいえる古い歴史を持ち京都の秋を代表する味覚の一つです。その特徴は「由良川の夜霧の立つところは栗がうまい」と言われ、丹波地方の昼夜の気温差が生む糖度の高い丹波栗は濃厚で粘性も高くアイスとの相性は抜群です。

□アイスとの親和性

ピカロアイスでは薄皮の状態で焼き、全体的な糖度と粘性を上げた状態にした「焼き栗」で白カビのブルーチーズと丹波栗の少し焦げ目の付いた薄皮をほんのり削りアイスと混ぜ合わせます。スモーキーな香りと下処理を行なった焼き栗は「マロン」になりブルーチーズの濃厚さが合わさる事でとてもリッチな味わいのアイスになっています。

 

 

2、大原の赤しそ

□特徴

赤しその歴史はとても古く、大原の里で何百年もの間作られてきた京都の名産品。しその中で最も原品種に近く、色・香り・味とも最高級とされ「しば漬」の材料に欠かせません。そして強い防腐・殺菌作用があり、抗酸化作用も非常に高くβ-カロテン量が緑黄色野菜の中でも抜き出ており、薬効的な側面もある食材です。

□アイスとの親和性

ピカロでは京大原の赤しそをブラッドオレンジと合わせ、甘さと酸っぱさを両立させました。赤しその独特な風味がアイスと合わさるとビネガーっぽい酸味になり、オレンジの香りと相まってとても大人な感じの風味を醸し出し、計算外のマリアージュが生まれた大人のアイスです。

 

 

3、京たんご梨

□特徴

高糖度・高品質の青梨で、たっぷり甘さがあり、洋梨と比べるとみずみずしい爽やかさを持つ京たんご梨。丹後の梨栽培の歴史は古く、明治時代に遡ります。海に囲まれた丹後半島で、ふりそそぐ太陽のもと大切に育てられています。甘みと酸味のバランスが良いのが特徴のみずみずしい京都の初秋の味覚。

□アイスとの親和性

洋ナシと比べると水分が多いので、皮と実を分けて専用ジューサーで食感も残したジュースをシャーベットにします。爽やかな甘みと水分量、粘性に対する計算がたったみずみずしいシャーベットアイスです。

 

 

4、伏見の酒粕

□特徴

日本酒の仕込みがある時期にしか味わうことのできない季節限定の味です。特に伏見産の酒粕は水分量が高く香りも抜群で濃厚なので、そのまま炙って醤油で食べても旨い一品。体に良い成分も豊富で「天然の調味料」とも言われている上質な一品です。

□アイスとの親和性

アイスとの相性は意外と高く、トリフュとクリームチーズに生の酒粕を掛け合わせて濃厚さとコクを出し、粘性の高い上品な味わいを出しました。日本酒の大吟醸をイメージした、よりオリジナリティーなピカロらしいアイスに仕上げています。

 

 

5、鹿ケ谷かぼちゃ

□特徴

ひょうたんの形をした京野菜の一つで、京都では昔から「おかぼ」と呼ばれて、ほとんどの一般家庭で食べられていたのが、この鹿ヶ谷かぼちゃだったといいます。水分量が意外に高く、甘みが少ない上に淡白な味であるため創意工夫が必要となるかぼちゃです。

□アイスとの親和性

ピカロでは鹿ヶ谷かぼちゃを丸焦げにして、表面を焦がしてスモーキーな香りを出します。そしてかぼちゃの糖度も上がったところで下処理し、ほうじ茶を掛け合わせてアイスに仕上げます。土っぽい味をイメージし、ほうじ茶の旨味とかぼちゃの低い甘さがほんのりとマッチして、親和性が産まれた京都っぽいアイスです。

 

 

6、丹波黒枝豆

□特徴

丹波黒枝豆には「早生」と「本黒」があります。収穫された時期が区分とされており、いわゆる熟成の度合いがはっきりと違います。
早生はあっさりとして味に青さが残り粒も若干小さめで、本黒はコクと旨味が凝縮しており、粒が大きくて、黒い斑点や茶褐色になっています。

□アイスとの親和性

ピカロでは「本黒」を湯がいて旨味を高めた後ペーストして下処理をし、ピスタチオの味をイメージしながらそのままアイスに掛け合わせ素材を活かしたアイスになっています。丹波黒枝豆は湯がくだけで旨味が爆発するような美味しさを醸し出しており、アイスとの掛け合わせも単純に相性が良く和のテイストがふんだんに感じられます。

 

 

7、丹波大納言小豆

□特徴

京都の食材の中でも古くから愛されていた食材で赤飯やぜんざい、おはぎ、日常から吉事まで幅広く、その特徴はひとつひとつが大粒で味も濃厚、香り高く本当に鮮やかないわゆる小豆色の外観が特徴です。

□アイスとの親和性

美濃の深入りきな粉使い、濃厚なきな粉アイスを作りました。きな粉の持つコクと丹波大納言小豆の甘さと旨味が掛け合わされ、和菓子の様な懐かしい形のアイスが仕上がりました。

 

 

8、宇治の金時にんじん

□特徴

ひときわ色鮮やかな彩りのあるにんじんで京野菜の代表とも言われるぐらい京料理には欠かせない一品です。他のにんじんよりも一際柔らかく甘さも豊富でとっても栄養価の高いのが特徴です。

□アイスとの親和性

専用ジューサーに掛けて下処理を施しクミン混ぜ合わせアイスにいたします。スパイスの香りと人参の旨味が今まで味わったことのないアイスに仕立て上がっています。

 

 

9、すぐき(刻み漬物)

□特徴

「すぐき漬」とも呼ばれていて、千枚漬、しば漬と合わせて「京都三大漬物」と呼ばれています。カブの一種であるすぐきを「塩」だけで漬け込んでおり、乳酸菌による発酵作用から来る深い酸味が特徴。葉は肉厚で濃緑色をしており、根の大きさの割には大きな葉をしています

□アイスとの親和性

乳酸菌を引き出しながらすぐき漬の酸味も活かしてヨーグルトと掛け合わせます。美容と健康面もにも良いほのかな酸味の効いたアイスになっています。